BOSS THE MC MONTHLY REPORT 2003.12

はい ただいまー  3週間ほどニューヨーク行ってました。HERBEST MOONの1STアルバム、
ダブアルバムのマスタリングと遊び 充電を兼ねて。2年ぶり6回目のニューヨークは
あーいかわらず凄い勢いで街が空に向かってどんどん伸びていて そのくせそれら巨大な
ビル達の足元では文字通りありとあらゆる人間がわさわさ 個性がんがん爆発、摩擦しあって
生きていて 肌の色も話す言葉も宗教もノリも飯も住む地区も違う人たちが住む 地球上の
宇宙ステーションのような街。どこ歩いててもなんかわくわくするんだよね。飯はダントツで
日本の方がうまいし(つーか安く安くなってったりするからね)地下鉄はいきなり予告無しに
止まってしまうし(つーか予告してたのかもしれないけどね)ぜんぜん汚いし たばこ吸えないし
ぶつぶつ自分は言うんだけどなーんか上がってる自分がいる。

3週間の滞在中 最初の1週間はマスタリングをみっちり集中してやった。HERBEST MOONは
今年アナログを4枚リリースしてるんだけど「THEY DANCE ALONE」以降 アナログのカッティングを
フランソワ・ケヴォーキアン氏にやってもらってる。彼がどんな人か知っている人も凄く多いと思うが
世の中には凄い人がいるものなのである。DJ、プロデューサー、エンジニア、リミキサー何と言って
いいのかどこから話していいのか 簡単に俺が語れるような人ではないのです。過去の様々なクラシックと
呼ばれるダンスミュージックにおいて 彼がミックス リミックスした曲は数多く存在するし DJとしても
結構日本でプレイすることがあります(とてつもなく凄まじい)。彼の音楽を知らない人がいるのなら
その人に人生の楽しみが確実にもう一つ残されていると言うことです。HERBEST MOONをWACHALLと
始めようとしたとき「ダンスミュージックと正面から向かい合おう」というのが1番のコンセプトだった。
何よりもまずダンスフロアーで感じたことを表現しようと思った。それがたとえ幻想であれ 錯覚であれ。 
そのためにはアナログのカッティングがもの凄く大事になると思った。DJ、サウンドシステムが望む音、
真夜中のクラブで幻想、錯覚を呼び起こす音。もちろん大前提としてそこまでの作業は命賭けてるよ。でも
カッティング、マスタリングという工程は札幌では不可能だ。何もない何も知らない 誰に聞きようもない。
さてどうしようか?そう!「知らないことは教えてもらおう」と 俺とWACHALLは思ったわけなんです。
最初から全てを知っていた人は誰もいなかったし 俺等は俺等が何も知らないと言うことだけは知っていた。
それで 彼 フランソワさんに頼むことにしたのです。

今回の依頼はマスタリングでした。「教えてもらおう」といっても目の前で変わっていく 大きくなっていく
自分らの曲達にただただ見とれ 聞くどころか 曲を聴くのに精一杯だった。そう それでいいのよ
全身全霊で 感じれば 音を なんて思ったり。とにかく貴重な時間だった。いろんな事を思った。
この人の耳に 自分たちの音はどう響いているのだろう?目の前にそびえる巨大な万里の長城のような人。
遙か向こうはかすんで見えない長い長い道のりを歩いてここまで来た人。俺は心の中で自分たちが
札幌から連れてきた若くたくましい曲達にこう言ったんだ。「さあその時が来たぞ! さあ 歌え!」

いろんな話をした。フランソワさんは日本語も堪能で 緊張気味の俺等を知ってか知らずか 笑いを混ぜつつ
接してくれた。マジなところはとことんマジだった。自分たちも言いたいことはちゃんと言い 聞くべき事も
本当に多かった。行って良かった。音楽聞いてて良かった。時間は過ぎていった。

で、できました。HERBEST MOONのアルバム、ダブアルバムです。発売はまだ先です(これからジャケやら
なにやらを作るので)が 自分とWACHALLが暗黒のダンスフロアーで感じた景色です。ダンスミュージックです。
ダンスフロアーにいる人 いた人 いない人 ダンスは自然な行動です。自然に動き 自然に続く。
求愛であったり 独りになるためであったり 悩みを振り落とすための装置であったり 人 それぞれ
気分次第 様々です。好き 嫌い 恨み ねたみ あこがれ 思い出 絶望 狂気 嫉妬 友情 愛 悲哀
HERBEST MOONは自分とWACHALLがダンスフロアーで感じた気持ちそのもの、そのものであろうとする
行動です。お楽しみに。

マスタリングが終わってからは さー始まります。皿掘り。一体何枚のレコード見たんだろう。右手と
左手交互に上げて下げて とんとんとんって動体視力フルに使って真っ黒になるまでレコード掘ってました。
ライブは一回だけ パットメセニー行きました!! まーじか ほんとか?って行ったら「LAST TRAIN HOME」が1曲目!
マスタリング終わって直後の晩 ジャックダニエル飲みながら 薄れていく意識の中で
どこまでも繊細なギターをほとんど無意識で追いかけて持って行かれてました。そんなにがんがんでもないが
クラブも行きました。ニューヨークのダンスフロアーはすっげーパワフルで 動きがあって エネルギーが 
沸騰してる。みんな自分の世界に入っているようで周りのヴァイブに敏感で 気を使ってて暖かい。
曲も古いの程知ってて 札幌で俺がいつもいるダンスフロアーと何にもノリ変わらなくて ただ数が多い。
凄いダンサーの数が お化けダンサーの数が多い。すげー楽しい。・・・最後の夜幸運にもタイミングがぴったり合って
LOFTに行った。それがどんなパーティーか知っている人も凄く多いと思うが 世の中には凄い
場所があるものなのである。何から話せばいいのか 夢の中の出来事のようで まだぼんやりしている。
「ここに必要なもの全てが満たされた」とはつくづくよく言ったものだ。すっごい楽しかった!!!
音楽を間にいろんな人やDJやパーティーに次々出会い 別れ 今日帰って来ました。 

写真も近々 アップします。

SHUREN the FIREのアルバム「my words laugh behind the mask」が出ます。もう出ましたか?
聴きましたか? 効きましたか? ここから先はそこのみんなの耳と心、SHURENの声と音がサシで
ぶつかり合う段階だ。彼の最初の一歩 彼との最初の邂逅 彼の世界への入り口がお前を襲う 襲う 襲う
「ちからのかぎり そらいっぱいの  光でできたパイプオルガンを弾くがいい」!!! 

そのSHUREN the FIREのアルバムリリースパーティーを兼ねて TBHRで12月26日に一晩やります!
場所は東京 新宿ロフト。出演はもちろんこの日の主役 SHURENがバンドセットでライブ。
そしてNAOHITO UCHIYAMA、ONOが横がっちり固めます。DJはご存じDYEとJUN-GOLDの二人。
わたくしILL-BOSSTINOはその日そこにいますがライブはしません(24日クアトロでやります)。
はっきり言って思いっきり遊びます。飲んでます。一緒にこの素晴らしいTBHRのアクトを楽しみたい。
近郊の人たちはぜひ足を運んでください。今年もいろいろありました。最後飲みましょう。
札幌 そして関西圏にもこのメンツで1月パーティーやります。詳しくはこのウェブでわかるように
しておきます。

11月頭に ライブ3本やりました。大阪市立大学、札幌、そして初上陸青森。大阪はもう今年何回目
やねん!って位行ってます。凄い数のオーディエンスだった。あまり多いと それだけいろんな
気持ちが入り乱れる。だからあの人数で「シーン」って空気が張りつめて 遠くを走ってる救急車の
サイレンをぼけーっとあの人数で聞くのはすごい奇跡的な事だ。しっかり聞いていてくれてありがとう。
そしてホーム札幌 久々だからがっちりトんだぜ。あの音と言葉と狂気で俺達は日本中で勝負して回ってる。
もう何回目かもわからないが俺等はずーっと更新してる。また会うときはさらに上トぶぞ いーな?
そして青森 近いのに行ったことがなかった。やっと会えた。いい出会いだ。あの先はある 確実に。
あれはマジックじゃない。人力の 血みどろのブルースだ。12月末 今年最後のライブでまた会おう。

BILLY WHO?/BILLY FRAZIER and friends(BILJUMA)
EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD/TEARS FOR FEARS(MERCURY)
GOTTA KEEP ON TRYING/TENDERNESS(RCA)
DANCING IN THE DARK/BRUCE SPRINGSTEEN(COLUMBIA)
THE LONG AND WINDING ROAD/THE BEATLES(APPLE)
Walk on the Wild Side/Lou Reed(RCA)
LIFE GOES ON/FAITH,HOPE&CHARITY(RCA)

でわ
長くなったが今年も後わずか 健康で なるべく楽天的に 良い年を!   ILL-B