ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2009.07

6月、前半は、去年の秋のO.N.Oのアルバム、そしてツアー、年明けてのDVD、更に演武10周年プロジェクトと、しばらく大仕事続いてて、久々に時間が
空いたんで旅に出てました。今回はスペイン、バスク地方に行って、帰りにアムステルダム寄って帰ってきました。このバスク地方ってのは前々から興味が
あってね。スペインの中でも北の端に位置しててかなり古くからのバスク人の住む土地。言葉もオリジナルなバスク語。今ではスペインの一地方なんだけど、
独立運動が盛んで、独立を目指すテロ組織もある。今も多くの政治犯が捕えられたまま。事実、街を歩いてると政治的な画や落書き、ある人の釈放を訴える
ポスターとかを沢山目にする。言い尽くせない悲しみの歴史が感じられた。今も闘いの最中な雰囲気だった。でも俺が接した人達は皆、陽気で、親切だった。
バスクと言えば海、山に挟まれた美食の国。ワインやシドラ、チャコリやセルベッサを飲みながら、ピンチョス(生ハムやオリーブやウナギの稚魚やチーズ
やらを一口大に盛ったその店それぞれオリジナルな酒のつまみ)を喰って、暫し仕事を忘れ、のんびり過ごしてた。しかもTURTLE ISLANDが海外ツアーで
バスクを横断してて、5月に横浜で一緒にライブやった時の打ち上げでその話を聞いてた俺は、ドッキリでいきなり会場に行って、驚かせ、驚かれ、そして
歓迎され、そのままTURTLE ISLANDが命を賭けて人種、言葉、思想の壁を乗り越える様子をこの目と耳で、しっかり見届けてきました。俺が観れたのは
最後の2公演だったんだけど、特に最終日、彼等をサポートしていたバスクの仲間の地元で過ごした1日は忘れられない経験となった。会場でもありツアー
中のTURTLE ISLANDの宿でもあった古い消防署を改装したその建物には、ライブハウス、スタジオ、スケートパーク、映画館、ラジオ局、菜園、鶏小屋、
サッカー場があって、それら全てが仲間達で運営されていた。PAなんてさ、15歳!しかもキャリア9年!って事は最初は6歳!!完全自治なその空間は
自主独立の気概と、自由な空気、あらゆるアートで満ちていた。深夜、集まってくる地元のパンクス、皆、笑顔で、ノリもよく、しかも酒代払っても誰にも
受け取ってもらえず、飲まされっぱなしでさ、もうすっかり上がっちゃってたな。その夜の、ツアー最後のTURTLE ISLANDのステージもマジ素晴らしく、
愛樹の「見方1つで世界が変わる!」で俺もモッシュ!ったく楽しすぎたぜ。帰ってきた今でもちょっと本当に現実にあったことなのか信じられない位な
究極の一夜でした。TURTLE ISLANDの皆、お疲れさんでした。また遊ぼうぜ。EARTH PHOTOに写真アップしてます。

帰ったらすぐに仕事がたっぷり待ってたな。東京に行ってDJ BAKUと録った曲のPVを撮影してきました。昼間、新宿のビルの屋上で撮って、夜は中野の
ヘビーシックゼロで、公募で集まったオーディエンスとライブ仕様の画を撮った。このライブ仕様の撮影が半端なかった。中野と言えばの顔役、森田貴宏や
FATBROSの愉快な面々、TURTLE ISLANDのジョージ、太華やシャーリーも来てくれて、めっちゃくちゃ盛り上がった!最初はさ、どうなるかと思ってた
けど、まず皆でテキーラ回し飲みしてテンション上げて、最後はBAKUもダイブ!俺もダイブ!皆、っぱなく熱かった。全員で1つのチームになってたな。
来てくれて、参加してくれた皆、ありがとう。皆の開かれた心のおかげだ。JAPANESE HIP HOP AND ME AND YOU。ここからまた新たに始まるぜ。
名取監督、ヤス、そしてスタッフの皆さん、本当にお疲れさまでした!マジ楽しかったっす。撮影後、まだ全然がっつり上がっちゃってて、そのまま皆で、
そこでブレス式の収録。これも前回同様、爆笑に次ぐ爆笑。オンエアーは7月8日、15日の2週の予定。BAKUとの出会い、制作、録音、撮影の話や、
しょうもない話がたっぷり入ってるよ。とにかく!俺が出来ることは全てやった。後はBAKUに任せた。DJ BAKUのニューアルバム「THE 12JAPS」。
発売は7月22日!特設サイトはこちら

6月はライブ1本。14ヶ月ぶり、3回目、大分。札幌からは直行便がないので1度福岡まで行って、そっからは車で向かう。今回も色々お世話になった
CUT UPの加藤君の運転でドライブ。途中、別府に寄って、足蒸し(足湯みたいなやつ)やって、フライトの疲れをほぐし、大分へ。着く頃にはすっかり
暗くなってたね。今回も初めての箱なのでダイは入念に音作り。リハ後、飯。大分クルーの案内で地元の仲間がやっているお店へ。心のこもった料理を
がっつりいただいて、宿で少し休んで、はい本番!大勢の人間をかき分けてステージに上がり、振り返ると、押し寄せる、熱い大分のオーディエンスが。
言葉と音が一気に加速する。俺等のワンマンのライブハウスでのライブと違って、この日は真夜中のクラブ。そりゃ色んな人がいる。それぞれの上がり方
感じ方が混在している。しかも皆、いい感じで酔ってる!その場をマイク1本で、透明な言葉で、そこに、底に集まってくれた素晴らしく異なる人達を
束ね、納得させ、楽しませなくてはならないんだ。思えばこういう場所で俺等は鍛えられてきた。熱さ、暑さが沸騰する、決して快適とは言えない場所、
ステージ最前線を俺等はずっと生き残ってきたんだ。「想いを伝えることだけに苦労する」とは我ながらよく言ったものだ。その夜も色んな局面があった。
1時間50分。持ち時間を大幅にオーバーして、俺等は俺等の伝えたいことを全て伝え終えた。皆、最後まで聴いていてくれてありがとうございました。
今回で3回目。1年に1回。2時間にも満たないコミュニケーションを続け、俺等と大分の歴史はゆっくり積み重なっていく。また会う日まで皆、元気で!


7月はライブ5本。去年の春のADFとのツアー以来の名古屋はZAZEN BOYSと、そしてリキッドルームではENVYとの共演。そして大阪は5年ぶりに
ZETTAI-MU@NOON。鳥取は野外のあの場所でCOCOLO NITE。そして中野でFATBROSの14周年記念。そしてそのまま8月1日は14ヶ月ぶりの
山形SANDINISTA。どれもこれも大事な山場だ。皆、楽しもう。

健康で。
ILL-B