ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2010.02

2月。寒いね〜。こっちはマジで凍てついてるよ。今年の正月休みは元旦のみで、あとはずっとリリック書いたりしてました。外は雪で埋まってる。
やっぱこの季節は外に出て何かするっていうよりも、中に籠って準備するって気になるんだよな。これ、札幌、っていうか北のスタイルなんだよな。
ま、寒い寒いって言っても、1月色々ライブ行ったけど、屋内はさ、こっちの方が暖かいんだよね。これも意外と知らない人多いね。ライブ先で俺が
「寒い」って言うと、皆こう言う。「マジっすか?札幌の方が寒いんじゃないんですか」ってさ。でもね、こっちでは確かに外は死ぬ程寒いけどね、
部屋の中は暖かいんだよ。っていうか暑い位ストーブつけたりもするしね。窓も2重だし。そんな感じの部屋であれこれ今年の仕事を仕込んでます。


1月はライブ4本。最終週の岐阜、沖縄の写真は1日アップには間にあわなかった。すまん。追って、付け加える形でアップします。

2010年1発目は広島。2008年の「AUTUMN BRIGHTNESS...」以来。結構この街も来てるから、通算何回目かはもう分かりません。最近は
クラブクアトロでのライブが続いていた。今回は真夜中のクラブ。荒いお客もいるだろうことは予想できてた。こういうトコをモノにしていかないと
ラッパーは務まらん。夕方に広島到着。クラナカと武が京都から迎えに来てくれてた。街に着く頃にはもう暗くなってたな。今夜の箱は初登場になる
MUGEN5610。地元の音楽家、ラッパーも良い感じで迎えてくれた。ありがたい。リハ後、お好み焼きをいただく。旨し。正月からの風邪が治って
なくて、体調に難ありって感じだったんで宿で休む。で、本番。地元のラッパー勢が熱いライブを繰りひろげてた。俺等もしっかりやらせてもらうぜ。
1時間半のセット。酒ノリのお客も上等。お姉ちゃんも沢山いるぜ。皆で上がってくれ。広島独特の空気ってあるよね。ラフでタフで俺は好きだよ。
最後まで聴いてくれてありがとうございました。最後の曲できっちりエネルギー使い果たし、終わってステージ降りた途端、早くも熱と寒気に俺は
襲われていた。乾杯のビールにも口をつけずに1人速攻宿に戻りました。その後の広島のDJを聴きながらの酒を楽しみにしていただけに残念、
無念。体調には勝てねえ。そのまま10時間寝て、朝っていうか昼過ぎチェックアウト。お好み焼き喰ってきたダイと合流。そして新幹線で一路西へ。

この日の舞台は久留米。初上陸。博多で降りて、迎えの車に乗り込み夕方到着。体調はこの辺からまた下り坂。う〜ん、2010年初っ端から道は
険しいな。ノドも厳しい。しかし今夜は東京からPAでサニーさんに来てもらってる。ましてや久留米のオーディエンスも沢山集まってくれるらしい。
上げていくしかねえ。今回色々お世話になったお店、GRANDEで中野からやって来た森ちゃんとも合流。森ちゃんのTBHのスタジャンがスゲエことに
なってて上がる。で箱へ。音作り、機材トラブルなどでダイとサニーさん、かなり苦戦してたけど良い感じなとこまで持ってきた。声も思ったよりも出て
くれて上がる。リハーサルの時点で地元の皆の期待がビシビシ伝わってくる。外に出ると当日券を求める人達の列が。よし!と上がる。で、飯。これまた
ローカルな名店って感じの雰囲気で上がる。味に上がる。お、上がってきた!後は本番の1時間半、体力とノドが持てばいい。で、会場に戻ると
熱い感じになってる。ここまで準備してもらって、お世話になって、後はやるしかねえよな。この日も1時間半のセット。前半の怒濤のメドレーの時点で
ダンスフロアーは沸騰してた。そこから更にディープな時間をくぐり抜け無事にエンディングへ。皆、初めて観る人も多かったと思うけど、熱く、応え、
俺等を上げてくれた。最後まで聴いてくれてありがとうございました。その後の酒も旨かった。また行きます!皆、元気で。ユカちゃんお疲れさん!

翌週は岐阜。いよいよ少なくなってきた、まだライブに行ったことのない街の1つ。雪の札幌を出発し、セントレアに着陸して、電車乗り継いで6時間。
結構遠かったな。会場のBRAVOに着くと、DUB 4 REASON、BLACK GANIONという同じステージを分け合う強力な対バン相手が待っていた。相手に
とって不足は全くなし。東海ハードコア勢の内に秘めた熱さを感じ取り、俺等も静かに燃えていたぜ。この日はオープンが早いイベントだったので、
着いてすぐにリハ。飯も出前の弁当を喰って、そのまま本番に備える。先の2つのバンドも個性ありまくりで観て、聴いて、効いた!そして俺等の出番。
暑いとは聞いていたが、確かにステージ最前線は灼熱だったな。リリックに岐阜というキーワードを入れるたびに沸きあがるオーディエンス。セットは
1時間と、俺等にとっては長くはなかったんで、この日は止まらず、振り返らずに、一気に走り抜けた。真剣なフロアーの皆の視線は最後まで緩むことが
なかった。最後まで聴いていてくれてありがとうございました。いいイベントだった。一見コワモテの世界に見えるけど、俺はハードコアやパンクの
世界にも情を感じる。いや、むしろ強く感じる。お世話になりました。俺等と岐阜のオーディエンスを繋げてくれてありがとう。終わってからの打ち上げも
笑ったね。鍋も最高に旨く、暖まった。名古屋の皆とも久々ゆっくり飲んで、語った。で、ひさびさの深夜チェックイン。さすがにクタクタで速攻眠る。

起きた時は一瞬ここがどこなのか全く分からんかった。そうだ、岐阜だ。よし移動だ。再びセントレア戻って、そこから一気に沖縄へ飛ぶ。初めて来てから
長い時間が経ってるな。愛すべき空気、湿気、時間の流れ、友達の笑顔。帰ってきたぜ。一旦宿に入って、サニーさんと合流して、今夜の箱へ。
桜坂セントラル。前回に続いて2回目。20ヶ月ぶり。この箱には言葉の伝わり方に良い印象があった。しかもサニーさんもいる。何やらヤバい夜に
なる予感。箱の照明さんとも良い感じでリンクできて本番が待ちどうしかった。沖縄料理いただいて、いよいよ再び箱へ戻ると近づくにつれて色んな
人から声がかかる。入り口にも沢山のオーディエンス。箱の中もしっかり入ってる。思えばその時点ですでに俺等(俺等とオーディエンス)はシンクロ
してたんだね。お互いに、来る夜への期待が満タンだったんだよ。じゃあ始めよう。20ヶ月の進化を観てもらうんだ。最高の言葉の解像度と、照明の
サポート、そしてオーディエンスが与えてくれた爆発的な興奮と、完全なる静寂の調和、野次と笑い、そして深い理解。それはマジで素晴らしすぎる
瞬間の連なりだった。1時間45分、フルセット。PHASE3の完成形。この数年、磨き上げてきた俺等のライブが、これ以上ないという条件の元で存分に
花開いた!目に見えない言葉と音の上がり、下がりに、皆の心がぴたっと寄り添ってくれているのを俺は感じていました。俺等、いつも沖縄で良い夜を
過ごさせてもらってきたけれど、偽りなく毎回、毎回、満足してきたけれど、あの夜は究極にシンクロしてたね。俺等と沖縄も遂に!極まった。そこで
言ったけれど名残惜しさったらなかったぜ。最後まで聴いていてくれてありがとうございました。あー楽しかった!終わってからの達成感、開放感も
半端なかった。ハシゴして、飲んで、笑って、沖縄の皆に遊ばせてもらいまくっちゃいました。釧路や札幌から沖縄に来た人、東京や岐阜から沖縄に来た人、
国籍はアメリカ人で言葉は沖縄なまりの人、そして沖縄で生まれ育った人。皆、チャンプルーって言うか、混ざって、お互いあまりあれこれ干渉せずに
繋がってる。朝まで続く宴の中、酔いでぐらんぐらんになりながら、そんな輝ける、善良な人達の笑顔に俺は見とれていた。外側の人間である俺の中に
ある、沖縄への想い。戦争や基地の存在、悲哀の歴史を捨てて、沖縄のことを考えることは俺にはできない。複雑な感情が俺の深層心理には存在している。
沖縄の人達だけが勝手に面倒くさいことを、痛みを、一方的に押し付けられるのは明らかに不公平だと思う。この世の不条理がここにはある。
そして、同時に、その不条理から直接産まれているものなのかは分からないけれど、おおらかな連帯感がここにはある。寛容さが他の日本の街とは
決定的に違う密度で存在している。人と人の間に。やさしくて、気を使って、傷ついて、でもそれを外の人間には見せない強さがある、と思う。沖縄が
ダントツで進んでると思う。お金とか施設とかじゃなくて、人間の中身が完成されてる。お調子もんで、酔っ払ってるけれど、何かが違う。何だろうな。

何だろうな。沖縄の人達がもう何十年もの間、受け入れて、闘ってることに、お偉い政治家の皆さんがあれこれ駆け引きしてることに、たかだか着いて
2、3日の俺が口を挟んじゃいけねえな、とは思うけど、良い友達ばかりだったよ。これを読んでくれてる沖縄の皆、ほんとありがとう。楽しかったっす。

ソウちゃん、また今回も色々ゴチでした。発展を祈ってるよ。

2010年1月に会えた人、皆、健康で。昔からの友達、皆、健康で。

ILL-B