ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2012.09

9月。

まだそっちは暑いのだろうね。札幌も今年の夏はしぶとい。新千歳空港で降りて温度差でやられんだろうなって思って身構えてると、あら、意外と暑い。
でも夜になると違うね。確実に、少しずつ秋が近づいてきてるよ。先日真夜中の一宮で「随分今日は涼しいね〜」って友人達の会話、俺にしてみれば
やはり「マジ?」ってくらい暑かったもんね。8月はフェスからクラブまで、ずっとライブの毎日でした。各会場で会った皆、楽しめたかな?俺等はどの
夜もばっちり到達してました。俺の目に映る限りですが、皆もそうであったはずだと信じてます。全ての夜に話された、感謝の言葉に偽りはありません。
後悔は相変わらずどこにも置いてきてない。実際にはそんな時間がないだけなのですが、前だけを向き進んできた。昨日より今日、今日よりは明日、と。
6月から始まった旅も、ブランク明けのゼロから始まったライブ行脚も、ま、全体から見ればまだまだこれからですが、良い感じで日本全国を回れてます。
ライブの質も回を追うごとに成長していってます。やってる俺等も少しずつですが成長していってると実感してます。衰えていく方向には向かってない。
それだけは確かです。しかし、旅はまだまだ続きます。今年2週目の街もそろそろ出てきます。あの夜の続きはちゃんとあったのだと証明しに行きます。
無論、PHASE 4最初の街にも、今の俺等の全てを届けに行きますぜ。そこで、底で、お互いの心を上げあって、意味深い夜を創り上げていきましょう。


今年のツアーTーシャツ、若干数オンラインショップで通販やります。こちらから。各会場で売っていた黒、白に加え、フジロックとライジング用に作った
モデル(カーキと黄色)の保管分も販売します。9月3日から。定価は税込4,000円。数に限りあります。どうしても欲しい方はお早めに。よろしくです。


レコード。待っていてくれている方々には誠に申し訳ありません。正直言って、出来上がってくる音に納得がいかず、数度目の再プレスを待っているのが
現状です。自分等の最高到達点の段階で先方に渡してあるので、今からとてつもなく大きな事をその段階の作業に求めているつもりは全くないのですが、
シンプルに静かな場面はそのまま静かに皆に聴いていただきたい、それだけでここまで長引いてます。でもまだやってます。進展あり次第お報せします。


スペースシャワーTVで先日のフジロックの模様が放送されます。俺等も出ます。番組は9月24日22:00から!



ここからはツアーレポート。

苫小牧。2年ぶり。前も同じ季節。あの日は究極暑かった。札幌からは車で2時間かからない。すぐ着いたね。箱はROOTS。ここは札幌の音楽シーンとも
密接に繋がってて、面白いパーティーをよくやってる。俺も遊びに行った事が何度もあるし、DJしたことすらある箱。スタッフもいつもと変わらずに良い
感じ。リハ、音も扇風機も入念にチェック。何せマジで暑かったんだ。飯はここ!苫小牧が世界に誇る名店、てっ平。はっきり言って自分の中では日本で
1番旨いフライが喰える店っす。そう!このサクッとむせるくらい細かい衣具合っ。旨い!夜の激戦に備えがっつりいただきました。本番。前週のフジを
思うとお客との距離も近く、ホーム、アンダーグラウンドに戻ってきた感ありまくり。始めようか。暗いダンスフロアーにひしめくヘッズ。ラフにタフに
仕切っていく。どん底まで行って戻ってきた。皆、ありがとうございました。終演後も地元の仲間や札幌から来た仲間、皆でワイワイ最高な時間だった。

新潟。ここも2年ぶり。ずっとライブやってたプラハがなくなってからは初だった。場所はPLANET。ここは宇都宮から移転してきたお店。ちなみに俺等
宇都宮では何度もライブやってた箱。中に入ってビックリ!宇都宮時代もそうだったけど、音もばっちりで、ライブする環境が最高に備わってた。今回は
PAにサニーさんも来てもらってたので尚更ヤバい音になってた。新潟の海の幸をいただき、本番。新潟まつり真最中って事もあって、何か街の雰囲気が
浮かれていたけど、ダンスフロアーも上がりまくってたね!箱は違ってもいつもの新潟でした。どっか〜んとノリが暴発してたね。相当ヤバかったっす。
皆、ありがとうございました。余韻に浸りながらの朝方、良い酔いでした。翌日は俺だけ残ってオフ。CAVE RECORDSでのんびりして、そして2年前と
同じく地元の仲間の座敷にお邪魔しての〜、花火大会〜。ゆったりした時間でした。ツアー中の狭間、リフレッシュできました。お世話になりました。

ライジングサンロックフェスティバル。2年ぶり6回目。地元札幌の路上から俺等が帰ってきたぜ。今年は金曜の深夜、キャンパーズ枠。数々の強者の中
から俺等を聴きたいという以前に、まず通し券を持っている人が対象の時間帯。ある意味軽くアウェイ感あり。緊張感漲ってました。会場のレイアウトも
今年から少し変わってたね。でもあの漂っている自由な雰囲気は相変わらず。上がるぜ。ステージ裏に着くと、既にGOMAちゃんがとってつもない低音を
響かせてました。すげえ〜。久々に観たけど、またパワーアップしてる!さすがはライバルでもあり、同志。おかえり!良い刺激をもらえました。出番は
その日の最後。皆、昼間っからずっと音楽漬けの1日、最後の最後に俺等っす。集まってくれた事にまずは感謝。きっと初めて観る人も多かったと思う。
精一杯やらせていただきました。あれがTHA BLUE HERBです。輝きと拍手と理解に包まれたエンディング、最高でした。皆、ありがとうございました。

その週末は、札幌の古くからの仲間の墓参り行ったり結婚を祝ったり、GOMAちゃんと遊んだり、短い休みでしたが派手に献杯と乾杯を重ねていました。

札幌。その夜は来た。対バンはMIC JACK PRODUCTION、YUKIGUNI、そしてSLANG。何かが起こる予感がビシビシしてた。そこで何をかませるのか、
そのために今まで鍛えてきたんだ。皆、昔から知ってる顔。リハ時点から緊張感もあったけど、でも純粋に嬉しかったし楽しかったな。本番はMJPから。
久々観たけどあの4MCの並びは揺るぎなし。貫禄出てたね。がっつり入ったお客も既に上がりまくり。2番手のYUKIGUNIもその流れを継いだ熱いライブ
だったぜ。で、3番手が俺等。熱かった〜。極限越えたね。短い札幌の夏の最後、とてつもないエネルギーがそこでは沸騰してた。命からがらだったよ。
皆、ありがとうございました。そして、SLANG。これがまたとんでもなかったね!札幌、前からそうだったのかもしれないが、ああやって並べてみたら、
マジでスゲエ街になってきてる。MJP、皆の尽力のお陰でそれが分かった。同じように分かった人も多いと思う。ばっちりでした!また来年やりたいね!

米子。2年ぶり。しかも今回は野外。朝6時に家を出て飛行機乗り継いで着陸。鬼太郎のお出迎え〜。外に出てみると、衝撃的に激暑い。札幌はその週に
ビアガーデン終わったっていうのに。こんなんで野外ってお客大丈夫?ってくらい暑かった。モクモク巨大な入道雲も北では滅多に見れないね。出番まで
時間があるので宿へ。夕方、会場へ。着くとちょうどCRO-MAGNON!夕下がりにばっちりハマってたね。会場全体緩い空気が流れてて、音に揺れてる。
最高。天国っすな。出番はその日のトリ。知ってるとは思うけど、俺等のは緩くはないぜ。いつも通りやるだけ。すっかり辺りに立ち込めた暗闇がお客を
1人1人、音と言葉の世界に包み込んでいく。後で聞いたけど、空には星、ステージはるか後方には、まるでVJのように稲妻がずっと輝いていたという!
想像力が極まった60分。皆、ありがとうございました。その後も仲間達と最高すぎる時間でした。ほんっと独特にぶっ飛んでる、米子恐るべし!ちゃす!

そこから東京へ。宿は大久保のディープな韓国人街界隈。凄かった。宿にいても、コインランドリー行っても、公園行っても、日本語聞こえてこない。。
チェックインして「インターネットできる?」って聞いたら、「多分できます。できない時もあります。」「ほう。。うん。。確かにできないね」とか
やり取りあって、ここに4泊か〜って思ってる内に、フロント通って外行く度に国籍不明同士が何気なく挨拶交わしてって感じでゆっくり馴染んでいって
ある朝はフロントのソファにフランス人の一家が並んでペヤング焼きそばを喰ってたり、ロビーで新聞読んでたらありえないくらい蚊に刺されたりとか、
終いにはビーサンをペタペタ鳴らしながらガリナシ君食いながら歩いてたな〜。道に立つ売春婦の影、中央線の走る音、野良猫、最後の夜は何か勝手に
寂しくなってたな〜。あんまり東京では感じた事のない感覚だった。何かここんとこ韓国とはさ、色々あったっしょ?笑えねえ事もあるし、これからも
起こるだろう。そんな時に韓国人街に数日ですが生きてて、ま、簡単な事は言えねえけど、難しい事が山盛りだけど、言えるのは、ケンカ腰に飯は旨い!
大久保、オモロい街でした。この街にずっといたら面白い曲書けそう。あの暑さといい、いつかの旅を思い出してた。そこで細かい仕事をしてました。
新宿LOFTのフリーペーパーでソウル・フラワー・ユニオンの中川さんと、そしてSAMURAI誌でBRAHMANのTOSHI-LOWとサシの対談してきました。
ソウル・フラワー・ユニオンとは今度10月にLOFTで対バンさせていただきます。あの辺野古以来。TOSHI-LOWとは今年顔を合わせる機会が多いね。
それは同時に自分が最前線にいるという証でもある。真の強者2人と、共に終始良い話ができました。貴重な時間を与えてくれた両誌に感謝っす。

新宿。2年ぶりのRED CLOTH。前回やった時は毛皮のマリーズと対バン。今回は赤い公園。毎回一筋縄ではいかないブッキング。俺等もノリに乗ってく。
19歳3人、20歳1人、全員女子のバンド。俺、40歳。正直どう接していけば良いのか分からんかった。リハ、お互い礼儀正しく挨拶。いやいや今夜、一体
どうなんの?って感じ。でもフタを開けてみれば簡単だったね。音聴きゃ早いよ。歳とかは別に大した問題じゃない。まだまだこれからだとは思うけど、
何より腹括った音が聴こえてきてた。それがあればばっちりっしょ。出番を終えた4人と、お疲れ〜って感じでワイワイ話す。全然話せます。で、俺等。
しっかりやらせてもらった。逆に力入りすぎてたかな。俺等もまだまだこれからだよ。もっともっと良くなりたいと思ってるしさ、実際に良くなってく。
不思議な余韻が残った夜だった。接近戦、アゲてくれた皆、ありがとうございました。赤い公園の皆も元気で。今度は呑もうぜ。RED CLOTH祝9周年!

横浜。ここも2年ぶり。舞台は俺等にとってはこの街のホーム、LIZARD。しかも対バンは前回に続いて非通知045代表、サイプレス上野とロベルト吉野。
お互い1MC1DJスタイルで、今となっては随分少なくなったけど、ライブをすげえ大事にしてて、HIP HOPの畑はもちろん、もっと大きな世界の現場で
もがき闘ってきた。スタイルは違うけど、これさえあれば良いって共通項がある。それは、とにかくHIP HOPが好きで、何つーか、いつどこで会っても
B-BOYの会話なんだよね、俺等。出番は奴等が最初。俺等もすげえ構成を凝ってるんで、あれ、どれだけ再現が大変なライブなのかがよく分かる。今回も
ばっちり。で、俺等。俺等にはこれしかねえっていう全てをぶつけさせてもらった。生と死の狭間まで近づき戻ってきた。皆、ありがとうございました。
あの両者が同じステージを分かち合い、そしてそれらを楽しんだお客があれだけいたという事、あの地下にいた俺等しか知らない最高に幸せな夜だった。

三重。四日市。三重自体は2度目だけど四日市は初。横浜から電車乗り継いで到着。すぐに会場YUDELINSへ。ライブでも言ったけど、実現できたライブの
中では、ここ三重がPHASE 4、1番最初にライブのオファーをくれた街。時間をかけて準備してきたんだ。主催のコバやん共々俺等も気合い入ってたよ。
リハやってると京都からKURANAKAも到着。久々〜。三重代表YUKSTA-ILLも来た。初めましてだけど、俺は音源チェックしてた。ヤバいよ。マスト。
役者が揃ってくる。まずは飯。近海の幸、極上松坂ローストビーフをたっぷりいただき準備万端。で、本番。長丁場だったけど、あっという間だったね。
最後は暖かい雰囲気で「この夜」に到達できました。あなたが心を開いてそこにいてくれたお陰です。皆、ありがとうございました。最後は地元のDJを
聴いて、乾杯して、話して、笑って、ばっちりな夜でした。この街で受け継がれてきた音楽と仲間の輪があちこちに感じられるナイスパーティーでした。

尾張一宮。この日は車で移動。途中四日市名物「とんてき」を喰う。赤福氷は行列が凄くて諦めた。夕方には到着。雰囲気のある町並み。この日は一宮の
ピカンテというメキシコ料理屋さん主催のパーティー。そこはHIKARUとかもよくDJしに行ってるらしい。会場はSTYLE。音がタイトで良い感じ。こりゃ
夜が楽しみだ。DJもKENKOUやJAGUAR Pと知ってる顔。皆で飯。うま屋。出てくるもの全てがヤバかったっす。激旨屋。俺、ライブ前なので酒呑めない
のがつらかったっす。この日の本番は早め。お客もしっかり入ってくれてた。さあ行くか。初っ端からずっと突き抜けてたね。3連戦最後の分、こっちの
クオリティもばっちり。お客のノリもばっちり。で、すげえ事になってました。初めてなのにあのシンクロ具合はヤバい。皆、ありがとうございました。
終演後も店を変え、地元や近郊から集まった仲間が混ざりあって良い時間が過ぎていきました。色々もてなしていただき感謝っす。また会いましょう!



旅は続きます。9月も大きなヤマ場が目白押しです。プレッシャー、ライバル、疲れ、恐れ、それらをどれだけ楽しめるか、でしょ。こう言うと簡単だと
思ってると思うかもしれないけれど、俺も毎回一杯一杯。余裕で勝ってきてるわけじゃない。必死で生き残ってきてる感が毎回ある。それが音楽だろうが
何だろうが、仕事ってのはそういうもんだ。そこ越えられねえと続けられねえ。強制されたワケじゃない。自分で選んだ道だ。ありがたく楽しんでやるぜ。

ILL-B