ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2014.11

11月。

年末に向けて面白い事を仕込んでます。あと、先月ここで話してたレコーディングの件。諸事情でまだ発表出来る段階にありません。時期が来たらゆっくりと。

年内のライブスケジュール、全て公開中です。年明けからは制作に入るのでしばらくライブはしません。「TOTAL」以降のライブ修練を全て出し切る所存です。
よろしくお願いします。


10月、ライブは6本。

佐世保。1年9ヶ月ぶり2回目。札幌から向かうにはかなり遠い道のりでした。着く頃にはもう真っ暗だ。箱はPULSE。入るとGRAVITYFREEの画が迎えてくれた。
日本中どこに行っても、彼等の画を見るとそこは安心して良い場所なんだと教えてくれる。俺にとってはそんな存在です。さあリハだ。DYEとナオミが苦戦しながら
良い状態までセッティング。飯。俺等の佐世保の仲間、太一の店に行ってカレー。自信ありげなだけあって旨かった。からの本番。お客の距離が近い接近戦でした。
皆の意識の上り下がりが肌で感じられました。後々聞いたら、高校生の頃から聴いてくれてる今は母親になった人、そして今日何気に来て初めて聴いた人、他にも
それぞれの抱えてる色々な状況の中を、時間割いて来てくれて、そこにいてくれて、それは別にどこででも当たり前の事なんですが、終わってからそんな皆の想いを
改めて聞かせてもらって、道のりは遠かったけど、遠かった分、行って良かったなと安堵しました。ありがとうございました。多田君、色々とお世話になりました。

佐賀。NICE TIMEという野外イベントで過去2回行ってたけど、市内では初。大きなステージの45分とは違い、自分等とお客がお互いに間近に感じられる場所での
90分超えのライブ。つまり自分等の全てを知ってもらうこの機会は佐賀との初めての夜だと思ってました。気合入ってたよ。佐世保から台風の横風に煽られながら
到着。RAG-G。良い箱。音も問題なし。準備万端。共演者も豪華。楽しい事が起きる予感をその場の皆が共有してる空気でした。GROOVEMAN SPOTとも再会。
じゃあやろうか。一期一会の間柄、自分等がずっとやってきた、信じている、これしか出来ないっていう表現でお客にぶつかっていく。受け入れられるかは、ほぼ
偶然に近い。何度やっても、どこまで行っても、結果は保証されない。そしてその日は辿り着いた。日曜の崖っぷち、皆で輝きを分かち合えた。佐賀のお客の優勝。
あれを"様式美"としか言えねえ奴は残念だ。まあいい、捨て置く。それぞれの使命をやり遂げた皆でのワイワイ賑やかな乾杯は格別だ。江口君、お疲れさまでした。

いわき。今年3度目の福島への帰還。福島、郡山、どこも最高だった。そしていわき。震災前から行ってた街。ドープなヒップホップがずっと昔から根付いてた街。
俺等の音楽をかなり初期の頃から受け入れ、解読し、価値を見出してくれていた仲間。皆に会うのを楽しみにしていた。思いがけず降り掛かった災いがそんな仲間を
苦しめて、皆の居場所はバラバラになってしまったけれど、それでも俺等の心の繋がりは切れちゃいない。俺はそう信じてた。この日も移動は熾烈を極めた。朝に
家出て夕方着。すぐにリハ。すぐに本番。舞台はいつものSONIC。この日は、何でだろ、いわきだからかな、言葉が多かったね。ライブの枠を超えてしまってた。
ま、ライブだからな。始めてみないとどうなるかは判らん。いわき、そして浜通りの皆に言いたい事が溜まりまくってた。自分でも驚いた。稚拙な表現に最後まで
付き合ってくれて助かりました。ありがとうございました。皆の発展、安寧をいつも願ってるよ。そしてそこから新しい何かが始まる事も。久野君、色々感謝です。

朝霧JAM。やってきました、今年の大一番。自身2012年のエアジャム以来の大舞台です。以前から出たいと思ってまして、で、今年はいよいよ出れるってなって、
送られてきたタイムテーブル、何と俺等が大トリでした。何せ初出場なのでね、一瞬ね、マジでほんの一瞬は「えっ、マジ?」ってちょっとビビったけど、ここは
止まるな、やるしかねえんだって勢いでお受けさせてもらいました。ここまで来ておいて、無論、引けないよね。ステージでも言いましたが、2000年当時、まだ
地元北海道以外では5、6回しかライブやった事がなかった俺等をフジロックのホワイトステージに引き出してくれたのも、そして今回のこのブッキングも同じ方々
です。その気持ちというか、博打というか、ノリに、2000年のあの日のようにがっつり乗っかって大爆発したいと思ってました。台風が直撃するかもという状況で
俺自身、ここで直撃したら自分のこれからの人生すら大きく左右する不運になると思ってました。幸い直撃は免れた時点でも、それが幸運か、それとも大恥を晒す
結果になる不運か、まだ見極められずにいました。それほどまでに大きな舞台だった。俺等の前はスライ&ロビー!。知ってるリディムの文字通りのオンパレード。
良い空気を作ってました。が、こっちはとても楽しむなどという心理ではなかったね。で、本番。これまでの過去、動かせない自分等の過去、それらは全てがこの
日に続いていたというセットで挑みました。俺等の事など何も知らない人にとってはどうでも良い事かもしれませんが、そこは外せなかった。ヒップホップ、俺等の
ヒップホップ。誕生の時点から異端視され、道の真ん中を歓迎され走ってきたワケではなかった俺等のヒップホップ。それを17年間鳴らし続けて、果てにここまで
辿り着いた。これは、どうしても言わせてほしかった。いつかの場面を一緒に過ごし、そして2014年のその日その場でそこのとこを感じ取ってくれた人、そして
ほとんどがそうであったと想像しますが、あの場で思いがけず出会い、60分を共有した人、皆、等しく感謝です。正直、泣きそうになりました。これまでも色々な
頂上を極めてきましたが、あの60分は格別でした。ありがとうございました。皆の歓声、叫び、目に見えぬ想い、それによってどんどん上昇していく感覚でした。
あの時程、お客と一緒に創り上げるという意味が判った事はなかった。そしてそれはこっちがいくら望もうとも、コントロールの範疇を超えた部分であり、だから
もしもそうなった時は、1秒も逃さずに、大切にしなくてはならない。表現の奥義を垣間見た。結果、大大大爆発でしたね。もう1度。ありがとうございました!

札幌。愛するホームタウン。今年2回目のライブ。道は続く。The Birthdayとの道内2連戦。2年前に仲間のバーで偶然チバ君に会って、お互い泥酔で、で、翌週の
フジロックで楽屋が隣で、お互いはっきりは憶えてないけど先週は楽しかったねって感じで話し別れて、そこからいつか何か一緒に出来たら良いな、と思ってて、
で、実現した夜。しかも北海道で!この日はペニーレーン24の24周年。前売り完売御礼。無論、それは俺等の力だけじゃあり得ない結果だという事は理解してた。
その上で、なお俺等と彼等を対等に扱ってくれた主催者の心意気を感じてました。先攻は俺等。先週の朝霧もそうですが、ほぼ初対面のお客が大半を占めている中、
どう攻めるか。これは理解者に囲まれた状況に比べると過酷ではあるが、これほど面白くやりがいのある任務はない。挨拶し、自分等の流儀を説明して、1つ1つの
局面を丁寧に積み上げていって、60分後、どう結ぶか、そして終えた後にどんな余韻を残せるか、そんなヤマでした。我々を支えてくれているホーム札幌のいつもの
面々、そしてThe Birthdayのファンの皆の懐の深さ、好奇心のおかげで心から笑って別れられました。ありがとうございました。からのThe Birthday。ばっちり
だったね!皆の楽しんでる姿を見てて、The Birthdayと呼ばれる大きな集まり、繋がりを感じて、俺も最高に楽しみました。ジャンルこそ違うけれど、ジャンルが
違うだけで避けていてはもったいなさすぎる時間だった。打ち上げでもチバ君とめっちゃ語った。ほんとね「オマエはさ…」って言われて、大した事ねえ先輩だと
「あぁ?」ってなるんだけど、相手が相手だけにね、ずっとその夜の俺は「何を教えてくれるんだろ?」ってワクワクしてました。西木君、色々お疲れさまでした。

釧路。今年3月以来。同じ北海道でも随分空気が違う。古くて重みが漂う詩的な街。前日入りだったのでPAサニーさんと照明畠中さんと名店巡り。サンマ、ザンギ、
ラーメンを堪能した。翌日は快晴。舞台はNAVANAホール。この日が実質なオープン初日。前日から徹夜で釧路の仲間が作り上げた箱。ばっちり!で、音と照明は
TBHとThe Birthdayのプロのスタッフが仕上げていく。この日はThe Birthdayが先攻。釧路初らしくファンの皆のずっと待ってたって想いが初っ端から溢れてた。
俺だって2時間位観てたいって思ったよ。でも、この日の締めは俺等なの。いつもの釧路、そして道東の皆、そしてThe Birthdayのファンの中でも残ってくれていた
皆、皆の時間を無駄にしたくなかった。エゴはなく、それだけだった。大役でしたが気持ち込めてやらせていただきました。ありがとうございました。この連戦は
本当に学びの気付きに溢れた2日間でした。The Birthdayの皆さん、貴重な機会をありがとうございました。釧路の仲間、そして山本さん、お疲れさまでした。

今年も残りわずか。毎日を楽しもう。

ILL-B