ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2015.10

10月。
日毎に秋は深まっていってる。落ち葉が散らばる路上、俺はここで大輪の花を咲かせるために今年を生きてきた。ここを楽しむために、楽しんでもらうために。

まずは御礼。俺がTHA BLUE HERB以外のフィールドで残してきた音楽をDJ HIKARUがMIXしたCD「BORDERS」、無事に発売出来ました。楽曲収録に際し、
アーティスト、レーベル関係者の協力抜きには実現出来なかったプロジェクトです。皆、快くその使用を承諾していただき、本当にありがとうございました。

さて、舞台は整った。一気に突っ切って行こう。10月14日、私、tha BOSSの自身初となるソロアルバム「IN THE NAME OF HIPHOP」がいよいよ発売です!
参加してくれた人達も含めて「これが日本のHIPHOPの到達点だから」、そしてHIPHOPを普段聴かない人達へ「ここから入りなよ」という強気で世に出します。
曲目は以下!!

1. HELL-O MY NAME IS...
2. I PAY BACK
3. BLOODY INK
4. HELL'S BELLS feat. BUPPON, YUKSTA-ILL
5. WORD...LIVE feat. 田我流
6. S.A.P.P.O.R.A.W. feat. ELIAS
7. REMEMBER IN LAST DECEMBER
8. MATCHSTICK SPIT
9. SEE EVIL, HEAR EVIL, SPEAK NO EVIL
10. NOW IS NOT THE TIME
11. WE WERE, WE ARE feat. B.I.G. JOE
12. 44 YEARS OLD feat. YOU THE ROCK★
13. LIVING IN THE FUTURE
14. ABOVE THE WALL
15. ...RELEASED ALL


先月もここで触れていますが商品構成をここでもう1度。発売するのは2種類。生産限定盤としてインストゥルメンタル(ラップを除いたもの)を、全曲分入れた
CDを付けた2枚組。こちらが4,000円(+税)。そして通常盤。こちらがCD1枚で3,000円(+税)。どちらも初回特典としてアルバム未収録曲を付けます。ビートは
Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORY。制作の経緯は下の方に書いてます。このプロジェクトで最後に創った曲であり俺自身の最新の曲。タイトルは「AND AGAIN」。
こちら初回特典は付かないお店もあるので、購入時にそれぞれで確認してください。

プラス北海道のお店で購入してくれた人達へ地元限定特典として、更にポスターも付けます。デザインはこれ。これも付かないお店もあるので確認してください。

10月7日からこのサイト内のオンラインショップで通販先行発売します。ページはこちら。扱うのは上記の生産限定盤のみです。予約は受け付けておりません。
当日アクセスしてください。朝10:00頃に開店の予定です。こちらの通販のみの限定特典として、上記のアルバム未収録曲に加えて、俺のロングインタビューが
載ったフリーペーパー「生涯」、更にステッカーも付けます。数は十分用意していますが、売り切れ必至の様相です。どうしても欲しい方はお早めの御注文を。

12月からライブを再開します。俺のソロアルバムのリリースツアー、THA BLUE HERBで回ります。このツアーだけのライブ形態とかも一瞬考えたけれど、俺の
目指す、そしてこれまでやってきたライブの質を考えると、やはりDJ DYEとの1MC1DJでしかあのレベルは表現出来ないので、THA BLUE HERBで回ります。
日程はこちら。

インタビューあげてます。テーマは「JAPANESE HIPHOP AND ME」。この稼業を始めてから今日までのノンフィクションを語っております。今回、これだけの
面々とアルバムを創る事が出来たのですが、俺自身、御存知の方も多いとは思いますが、最初から”お手手繋いで仲良く”やってきたワケじゃねえ。当時、日本中の
誰もがノーマークだった北海道札幌から今日ここに来るまで、こうしてこのシノギで生き残るまでには、ヤマと谷があった。争いや諍い、つまりDISにまみれた
時期もあった。東京HIPHOPへの反骨心と自分以外は認めねえ上昇志向だけで生きていた時期もあった。ただ、それでこのドラマは終わらなかった。これぞまさに
HIPHOPの名のもとに、理解は進んでいった。あなたが俺を理解してくれたように、同じ稼業の人達、もちろんそれっきりで別れた人もいるし、まだ出会って
ない人もいるけど、偶然か必然かタイミングの理由は解らないけど、気や話や笑いが合った人とは、互いの間にあった色々な誤解や偏見や思い込み(これらは
相手にも、そして俺の中にもあった)を経て、相手を知って、相手に知ってもらって、そして2015年このアルバムにまで辿り着いた。その辺の事を語ってます。
曲げずに進んできたHIPHOPの道、その延長上にこのアルバムはあります。観てもらえば、一層このアルバム、そしてHIPHOPへの俺の想いが伝わると思います。


今後、PVなども続々公開していきます。最新の情報等は公式Twitterを覗いてください。


ここからはアルバムの曲&面子の紹介を。HIPHOPの名のもとに。正直ここでは書き切れないエピソードが各人とはあるけどさ、あくまで音楽なんで軽めにね。
ここをあえて読まずに、曲だけと向き合う事も全然アリ。皆の好きなノリで。

1. HELL-O MY NAME IS...
アルバムの記念すべき1曲目。ビートはOlive Oil。「MISSION POSSIBLE」以来、サシでもう1度曲を創ってみたかった。近年も制作ペースを落とさずに量と質を
とても高いレベルで維持している数少ない本物の職人だ。このビートを聴いた瞬間、アルバムの1曲目でラップしてるイメージ、そこを飛び越えてライブの1曲目で
キックしてるヴィジョンが浮かんだ。これを突破口にしよう、と決めたんだ。スクラッチはDJ SEIJI。俺の残してきたパンチライン達をコスってもらってます。

2. I PAY BACK
ビートはHIMUKI。すでの公開中のTeaserでかかってるビートがこれだ!まさに"鬼のワンループで勝負 by KGE"。去年の暮れに都内のクラブで初めて会ったんだ。
俺がアルバム創っててビートを探してるって言うと、確か3日後くらいにはごっそりビートを送ってきてくれた。マジ上げられたよ。他にもチャレンジしたいって
ビートが沢山あったけど、このビートを選ばさせてもらった。声入れはこの曲が1番最初。2月の時点で出来ていた。ビートに引っ張られて、熱いフロウになった。

3. BLOODY INK
ビートはSTERUSSからDJ KAZZ-K。かなり昔、徳島にライブに行った時に邂逅した。それ以降も彼等の地元の横浜にライブに行くと観に来てくれてて、徐々に
お互いを知っていった。彼等を通じて横浜のHIPHOPの裾野の広さを知ったんだ。STERUSSの所属してるZZ PRODUCTIONにはHIPHOP命の大馬鹿野郎達が
揃っていて、いつもよく笑い、呑み、そして喧嘩して、結果HIPHOP談義に熱くなるw。ビートも泥臭くソウルフルなものを。3曲目。まだ押せ押せで行く感じ。

4. HELL'S BELLS feat. BUPPON, YUKSTA-ILL
複数のラッパーでマイクリレーする曲をずっと創ってみたかった。BUPPONは山口、YUKSTA-ILLは三重のラッパー。俺等のライブを主催してくれたり、俺等の前
に地元代表でライブをやってたり、この稼業の中で出会った友人だ。リリックに関してはシンプルに「自分が1番ヤバいって事を証明してくれ」っていうオファー
だったはず。ビートはstillichimiyaからYOUNG-G。こちらも評判通りの間違いない仕事。アレンジ含めて、引き出しが半端ない。まだまだ押せ押せで行く感じ。

5. WORD...LIVE feat. 田我流
stillichimiya全員と仕事をしたいと思ってるけど、ここはエース田我流と1対1で。2010年TBH47都道府県制覇の地、山梨で知り合った。近年のstillichimiyaの
表現の進化とそれが日本中に浸透していく過程は本当に劇的だった。現在、お互いがマイク稼業で喰わせてもらってる身、そこからの景色をそれぞれ長いバースで
キック。ビートはSouthpaw Chop。こちらは既に古株だ。邂逅から10年以上は過ぎてる。ずっと俺にビートを送ってくれていた。やっと一緒に曲を創れたな。

6. S.A.P.P.O.R.A.W. feat. ELIAS
札幌のアンダーグラウンドHIPHOPのBOSSの1人、ELIAS。俺はこの鋭利な才能といつか一緒にバースを分け合ってみたいとずっと思っていた。それもこの街を
テーマに。NAGMATICの造ってくれたメロウでソウルフル、そこに洗練を加えたビート。ラップしてて気持ち良かったっす。スクラッチはDJ SEIJI。札幌のコアな
音楽好きなら誰でも知ってるあのバンドのあの曲でイントロをコスってくれてます。これも長年の夢。頼んで実現出来るのはSEIJIさんしか思い浮かばなかった。

7. REMEMBER IN LAST DECEMBER
この驚異のビートは北九州小倉代表、INGENIOUS DJ MAKINOの手によるもの。同い年!この曲のリリックは完全に音風景から引き出されたものです。俺自身、
こんな詩を書くとは思ってもいなかった。今回書き上げたリリックの中では1番のサプライズだ。俺の表現の幅を俺自身の幼少期にまで広げてくれたのだから。
今のこの年代だからこそ書けたのかな、と思う。言葉と音、同い年同士だからこそ創れたのかな、ともね。この曲は実際に俺の故郷で撮影したPVも創ってる。

8. MATCHSTICK SPIT
ビートはPENTAXX.B.F。既に般若やSHINGO★西成等と多くの作品を残している。京都でTBHでライブをやった時、ビートを詰めたCDを持って来てくれたんだ。
色んな街で色んな人にこういった形でビートをもらうけど、中々録音にまでは結びつかない。でもこのビートはそのままには出来ない何かを秘めていた。こういう
ビートに載せると俺の言葉は一気に破壊力を増す事を俺は知っていた。離れた土地を言葉と音を何度も行き来させて遂に完成させた。この曲もPVを創ってる。

9. SEE EVIL, HEAR EVIL, SPEAK NO EVIL
このアルバムの中で1番シリアスなリリックだと思う。でも、そこにPUNPEEの流麗なビートが融合する事によってメッセージは次の次元に飛べた。PUNPEEとは
昔リキッドルームでSEEDAのリリースパーティーに出た時に出会った。その時は挨拶程度の会話だったけど、それまでもそれからも、PUNPEEの仕事はチェック
していた。最近の加山雄三のカバー曲も良かった。俺の知らない俺を引き出して欲しくて思い切ってオファーしてみた。そして事実結果、そういう曲が出来た。

10. NOW IS NOT THE TIME
7曲目と同じくビートはINGENIOUS DJ MAKINO。俺は同い年だからこの年までビートを造り続ける事の意味を、そして生き抜いてきたが故のクオリティを知って
いる。だから初めて会った時から何か一緒に創ってみたいと伝えていた。ビートを受け取ったのはもう何年も前。でも俺はライブが忙しくて時間がなかった。でも
待っててくれた。焦りもせず、焦らせもせず。そんな彼と接している内にこの曲のアイディアは浮かんだ。「その時は今じゃない。でも必ずその時は来る」って。

11. WE WERE, WE ARE feat. B.I.G. JOE
俺とJOEは既に20年近くの付き合いだ。長い時間が経った。色々あった。そしてまだこうしてお互いラッパーを生業に生きている。俺とJOEの関わりはこの札幌の
HIPHOPの歴史の半分位の時間になってる。そんな時間の重みを込めた曲を創りたいっていつも思っていたし、話していた。ビートは同じくここ札幌で古くから
活動してるLIL'J。街で会う度に「いつかビートを造らせてくれ」っていつも言ってくれていた。あの時代から今日へと繋がる叙事詩が完成した。PVも創ってる。

12. 44 YEARS OLD feat. YOU THE ROCK★
アルバムも佳境に来てる。ソロを創るってなって真っ先に誘いたいって思ったラッパーの1人、YOU THE ROCK★。俺は彼をDISしてこの世界にエントリーして
きた人間だ。昔話ではあるけど、言葉は自分に返ってくる。俺が何をしたか、俺が1番覚えてる。「ごめん」は言わねえ。そうじゃねえ筋の通し方ってのがある。
2015年、今がその時だ。ド渋のビートはDJ YAS。3人同い年、44歳。俺等にしか語れない話がある。これが流行とかじゃねえ日本のHIPHOPの最先端の曲だ。

13. LIVING IN THE FUTURE
なぜ前の曲で最先端と言ったか?いいかい?HIPHOP自体がまだ若い。俺のこの40代から何を歌うのか、仮に50代になって何を歌うのか、誰も到達出来てない。
若さにまかせて金も女も暴力も、成り上がりも、全部通ってきて、そこからこの年になって何を歌っていくのか?世界中見渡しても、HIPHOPでそこに挑戦してる
ラッパーは多くはない。そういう意味で、子育ても、仕事も、疲れも諦めも、人生の悲哀をも渋く歌っていくって意味で、俺が最先端。DJ KRUSHは最最先端。

14. ABOVE THE WALL
ビートは3曲目と同じくDJ KAZZ-K(STERUSS)。当初は勝手ながらビートメイカー1人から1曲提供してもらおうって考えていたんだけど、KAZZ-Kの送ってくれた
ビート達、INGENIOUS DJ MAKINOと同様、俺はどうしても1曲だけには絞り切れなかった。どっちでも歌いたかった。それくらいこのビートに惚れ込んだ。
アルバムも最後のヤマを越えつつある。イメージは路上の雑踏にかき消されそうになりながら歌ってる吟遊詩人。壁の向こうを見つめてる。言わばブルースだね。

15. ...RELEASED ALL
思えばこのソロプロジェクトは昨年の年末にリリースした般若との「NEW YEAR'S DAY」から始まったんだ。そのビートを造っていたのがgrooveman Spot。
そして巡り巡って辿り着いたこのアルバム最後の曲も、彼のビートで締める事になった。HIPHOP知ってから今日ここまでをキックしてる。ここまで来れるとは
思ってはいなかった。HIPHOPに夢中になって走ってきた。そんな物語。grooveman Spotのビートがタフでイルで、おかげで最後までHIPHOPで貫いていけた。

*特典 AND AGAIN
アルバム収録時間一杯まで曲を創って、あとは細かい調整っていう段階で、リキッドルームで偶然DJ CELORYに出会った。お互い名前もキャリアも知っていた。
すぐ意気投合。「ビート、沢山あるから」って聞いて、その夜にもう決めていた。アルバムはもう収録時間一杯だけど、この出会いの勢いで創ろう、と。そのまま
伝えて快諾もらって、すぐに出来た曲。至極のループ。アルバム収録分の全てのリリックを書いた後に生まれたから、その順番で聴いてくれればばっちりです。

そしてもう1人、このアルバムを完成させるために欠かせない仕事をやり遂げてくれたのがTSUTCHIE。ラップの録音の全てを統括、そして機材もスタイルも全て
違うビートメイカー達の、個性を多分に含んだビートのミックスも統括、更にそうして創られた楽曲達を1枚のアルバムの中に並べ、整える作業も全て彼がやって
くれた。2月から続いたレコーディングの合間、交わされた会話全てがHIPHOPの名のもとにって話だった。困難極まる仕事、本当にありがとうございました。


以上!
長文、失礼しました。読んでくれた皆、ありがとう。言いたい事は言った。やるべき事はあと少し。それらをやり遂げ、そして発売日を待とう。

tha BOSS「IN THE NAME OF HIPHOP」10月14日発売です。よろしくお願いします!