ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB) MONTHLY REPORT 2016.08

8月。
お待たせしました。発売が延期になっていた、THA BLUE HERBの映像作品が発売になります。

タイトルは「ラッパーの一分」。「一分」とは、それ以上は譲る事の出来ない名誉や面目。

監督は、THA BLUE HERB「PHASE 3.9」「PRAYERS」を創ってくれた川口潤。今回も困難な仕事を成し遂げてくれました。ありがとうございました!

発売日は店頭が8月24日(水)。それに先駆けて、このサイト内のオンラインショップで8月15日(月)から限定数を通販先行発売します。価格は税込3,500円。

初回特典として店頭、通販共にCDを付けます。THA BLUE HERBの楽曲を、ビートを差し替えて、アレンジし直して、新たにラップを録り直したCDです。
収録は全8曲。何の曲が入っているかはお楽しみって事で。俺等のライブではいつものお馴染みなナンバーが並んでおります。通販購入の方のみ、このCDに
加えてステッカーも2枚づつ付けます。デザインはこちらです。お店によっては初回特典が付かない所もあるので、その辺はそれぞれで確認をお願いします。

舞台は東京リキッドルーム。THA BLUE HERBにとっては日本中で1番ワンマンライブをやってきた箱です。'90年代後半の新宿歌舞伎町にあった頃から、
そして現在の恵比寿に移ってきてから、ツアーの最後、その年の最後、東京上陸10周年、リリースパーティー、節目毎にオーディエンスと共に最高到達点を
更新してきた。巡り巡って、時は2015年12月30日。tha BOSS「IN THE NAME OF HIPHOP」ワンマンリリースツアーの最終日、前売りは完売、恐らく
殆どのお客が既にその年の仕事を全て納めて集まったと思う。それが理由なのか、あの夜は開場の時点から何かワクワク感がいつもよりも会場に濃厚に充満
していたのを憶えてる。開演と同時に一気にそれは沸騰し、そこから輝きに包まれた万雷の拍手が鳴り響くエンディングまで冷める事はなかった。誰の事も
否定しない、罵り合いもない、冷笑も皮肉もない。他者との勝ち負けもない。俺があの夜に望んでいた”勝ち”とは、あの場に集まった皆が楽しんで帰る事。
でも、果たして全員分のそれが手に入ったのかは解らなかった。もちろん達成感はたっぷりあった。でも、俺は俺の見た景色でしか憶えていない。だから
DVDにしてみようと思ったのかもしれないな。あの夜はただ事じゃないと確かに記憶していたけれど、それをあらゆる角度からもう1度検証してみたかった
のかもしれない。それがこの作品の根源的な動機かもね。で、いざ出来上がりを観てみたら…、鳥肌が明確な答えだった。少なくとも映画1本分は確実な、
俺が44年間生きて見て聞いてきた、ヒップホップの名の元に書き留めてきた、人間の生き様と死に様の間の一大叙事詩だ。シナリオはススキノの路上から、
暗中模索していた時代、金や名誉、様々な出会い、今生の別れ、多くの誕生、そこから未来へ、全30曲。編集なし。1MC1DJが基本。全て起こった事を
ありのまま。マイクトラブルも、音響ノイズも、間違えも、小さな失敗も、お客同士のいざこざも、全てあのままで世に出そう。演奏や構成自体は無論、
1998年の曲と2015年の曲の並びが表す変化と不変、ゲスト勢のそれぞれの”一分”、見所は沢山ある。何より、生々しさ全開の音圧が、そこに確かにあった
尋常じゃない熱量を再現してる。2時間45分、ラフでタフ。まぁ、作品が間もなくあなたの手に届く時点で、これ以上あれこれ言うのは野暮ってもんだな。


CMはこちらから。
予告ページはこちらから。

THA BLUE HERB、「ラッパーの一分」、よろしくお願いします!



ライブスケジュール、9月まで発表しております。10月、11月はライブを休みます。

ここからは7月のライブレポートを。

岩国。山口県自体は5回目だったけれど、岩国は初上陸でした。新千歳から博多に飛んで、そこから新幹線乗って到着。7時間の行程は中々大変でした。箱は
LOUDSTAR。リハの間、岩国、山口各地、広島から競演者が集まってくる。飯は瀬戸内の幸をいただき準備万端。恐らく初めて観るという人が殆どだったと
思う。皆もこっちを観ているけれど、こっちも皆を見ている。半信半疑だった顔が、ナンパに忙しかった奴が、乾杯に明け暮れていた面々が、段々真剣味を
帯びてくる。でも一方的にロックするというよりは、こっち的には調和を求めていく。そこでも俺は言ったけど、俺等だけが楽しむつもりではやってない。
エンディングは名残惜しさを伴う輝きに満ちていた。ありがとうございました。終わってからあちこちで乾杯を重ねた。聞けば広島や山口各地でのライブに
来てくれていた人達も多かった。皆、地元で観れて上がってくれていた。何よりだ。ワイワイやってたら明るくなってきた。良い夜だ。海人、ありがとう!

小倉。きっちり6年ぶり。6年前の同じ日、俺等はこの街のヒップホップと邂逅を果たした。INGENIOUS DJ MAKINOという男と知り合った。もう中々ない
同世代のDJ、ビートメイカーとの出会い。いつか一緒に曲を創ろう、当然のようにそう話していた。それから6年。俺のソロアルバムを聴いてくれた人なら
解ると思うが、俺とINGENIOUS DJ MAKINOは2曲創った。早く小倉でライブしたいと思っていた。何より、1番上がってくれていた小倉のB-BOY達の前で
鳴らしたいと思っていた。それに応えるが如くのブッキング。ELIAS、前夜に続きBUPPON。そして小倉ヒップホップが集結していた。KOJOEも来た!俺は
最初のDJの1曲目を聴き、そのハマり方に、この夜の成功を確信したよ。終始、どこ行っても、熱量が半端なかった。俺等も灼熱の中、根性燃やし尽くした。
ありがとうございました。この夜のために長いストーリーがあった。まさに結実という言葉の通りの満開の宴だったね。西君、小倉ホーミー、ありがとう!

伊勢。2年ぶり2回目。ここも札幌から到着までに7時間かかりました。山々に霞がかる雲が神秘的な雰囲気を感じさせる。あの静謐と清廉は他にはないね。
舞台は都天眞堂。四日市や各地から競演者達が集まってくる。皆、久々の対面なマイメン達。のんびりリハをやってたが、顔ぶれを見て一気に本番へ向かって
高まっていった。飯は伊勢名物、まんぷく食堂のからあげ丼。相変わらず元気なお店。お母さんの笑顔も相変わらずで、心身共にポジティブなエネルギーを
いただきました。本番。前回はごちゃ混ぜなパーティーって感じだったけど、今回はライブに集中出来る環境でした。そうは言っても上がり過ぎて場を混乱
させる人もいて、でもこっちは全然OKよ。最後はがっつりハメてやる。90分後、美しくも儚い光景の中、皆と笑って別れた。ありがとうございました。皆の
想い、期待の籠った目が、俺等に最後まで誇り高く表現させたんだよ。またあの続きに向け精進続けます。皆も達者で。イヌイ君、タイヘイ、ありがとう!

浜松。こちらも2年ぶり。通算何回目かそろそろ解らなくなってきてるね。歴史が積み重なってる。舞台は窓枠。ここは2008年のAUTUMN BRIGHTNESS
TOURでライブした箱。その模様はDVDにがっつり映ってるね。そこから8年。窓枠も新築になって新しくなってた。この日はヒップホップとハードコアの
祭でした。地元で長く活動してるBEYOND HATEやSLUDGEや大阪からSANDや、重量級な音を鳴らす猛者達が集合してました。出演者もお客も刺青率が
高い!不良が多い!昔の名古屋のマーダーを思い出すカオスっぷりで待ち時間も最高に楽しかった。俺等はライブのトリ。俺等もSTRAIGHT UP出身だから
ここは札幌訛りのメッセージ勝負で正面からぶつかっていきました。相手が熱く、そして強面であればある程、こっちの言葉も強さを帯びる。お互い一歩も
引かない60分だった。ありがとうございました。最後は皆が辿り着いていたね。歓声と喝采に包まれ、報われてたよ。HIROMATIC、ユーキ、ありがとう!

東京。今年3回目。超接近戦。舞台は新宿レッドクロス。ここは今回で4回目なんだけど、毎回あり得ないブッキングでやらせてもらってきた。まさに”挑戦
こそがオレのオファーの条件”って感じ。今回の対バンはSCOOBIE DO。フェスの楽屋エリアとかで会ったりしてました。いつか一緒にやりたいね、と何度も
話してて、遂に同じステージを分け合う事になった。先行がSCOOBIE DO。凄腕でしたね。聴いてて、これ順番が逆だったらセッション出来たなって思って
ました。あのノリは入れる所が沢山あったな〜。次回の楽しみだな。からの俺等。どうせならね、SCOOBIE DO目当てのお客にも楽しんで欲しいよね。そう
思うと自然と気持ちが開けていくよね。後攻って事もあって、90分やらせていただきました。いつも来てくれる人、久々だった人、最後は境目などどこにも
ない、1人1人との時間になってた。ありがとうございました。対バン形式ならではの緊張感、そして共通点を感じられた夜でした。菊池さん、ありがとう!

江ノ島。オッパーラ。予約も完売。ロケーションもメンツも完璧。札幌と沖縄、地元藤沢からラッパーが3人。5月の沖縄ツアーでもばっちりリンクしていた
俺、RITTO、MILES WORD。再会を喜び、それぞれの出番を待った。先頭はMISTA SHAR。どんどん入ってくるお客を暖める。で、俺等。ステージも柵も
ない、同じ目線でのライブ。90分。まさに怒濤。がっつり盛り上がったね!ありがとうございました。からのDJ YAS。一緒に創った「DIS SHIT IS REAL」
でスタート。そして地元の意地を吐き出しまくったMILES WORD、からのRITTO。皆、超真剣。負けず嫌い揃い。罵り合いじゃなくて、同じお客を前に繰り
広げられる俺等流のバトル。楽し過ぎでした。最後はDJ 光。RITTOも乱入。超絶なエネルギーが炸裂しまくってた。気付いたら外は明るくなってた。見渡す
と皆が笑ってた。ああ、もう終わっちまうよ。楽しいな、終わりたくないな。オッパーラ最幸!また帰って来れるように頑張ろう。ダーさん、ありがとう!


8月は、俺の故郷函館!そして札幌の路上からダイレクトに乗り込むライジングサン!久々の古都奈良!そしてThe Birthdayとのリキッドでの2マンライブ!

皆、良い夏を!

ILL-B